歴史の扉へようこそ!旅人です!
お正月と言えば初詣。今年はコロナの影響で行かなかったという方も多いとは思いますが、例年であれば、初詣で神社やお寺に行く方も多いと思います。
しかし、下記のような方も多いのではないでしょうか。
- 初詣には行くけど、そもそも神社とお寺の違いがわからない
- 神社とお寺、それぞれの参拝方法の違いがわからない
- 神社仏閣巡りの何が面白いのかわからない
せっかく初詣で神社やお寺に行くわけですから、神社とお寺の違いや参拝方法について知っておいたほうが、より楽しめますよね。
というわけで、今回の記事では下記について解説していきます。
- 神社とお寺の違いを分かりやすく解説
- 寺社の魅力について解説
- なぜ、神社仏閣巡りが特に若手社会人の趣味としてオススメなのか
神社とお寺の違い
「神社とお寺の違い」と言っても、色々ありますが、最低でも知っておくべきことを表にまとめるとこんな感じです。
宗教 | 信仰対象 | 参拝方法 | ||
神社 | 神道 | 神様(無形) | 二礼二拍手一礼 | |
お寺 | 仏教 | 仏像(有形) | 合掌しながら一礼。最後に一礼。 |
そもそも神社とお寺は別の宗教施設なんですね。
ではなぜ、多くの人が神社とお寺をごっちゃに考えてしまうのでしょうか。その理由は神社とお寺の歴史を紐解けば見えてきます。
神社とお寺の歴史 ~神仏習合と神仏分離~
日本の神々
日本にはもともと、大きな岩や、海、川、山、木、森など、自然に神が宿るとされてきました。縄文時代の遺跡からも祭祀跡が出土するなど、日本に文字が伝わるはるか昔から神道の素地があったわけです。
稲作が大陸から伝わる弥生時代には、高床倉庫や豪族の館などが建てられます。そうした建築物を原型として、古墳時代以降、常設の社殿を有する神社が建立されることとなり、現在我々がイメージする神社が成立していきました。
仏教伝来
6世紀頃になると、日本に仏教が伝わります。次第に豪族や国家が仏教を政治に取り入れていきます。東大寺の大仏建立などは、その最たる例ですね。
神仏習合
平安期になると、「日本の神々は仏教の仏が日本に現れた際の仮の姿である」とする本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)という考え方が広まります。
こうして徐々に神仏が同じであるとする神仏習合(しんぶつしゅうごう)の時代が幕末まで続くこととなりました。神社とお寺の違いがはっきり区別されない期間があまりにも長かったので、現在も神社とお寺は雰囲気が似ていますし、ごっちゃに考えてしまう人が多いわけですね。
神仏分離と廃仏毀釈
ところが、幕末頃になると、欧米列強による植民地支配の圧力が日本にも襲い掛かってきます。何としても日本の独立を維持するため、明治政府は様々な近代化政策を実施します。
その一環として、宗教にもメスが入りました。明治政府は祭政一致と天皇親政の方針を打ち出し、国民の精神をまとめようとしました。
こうした背景から神仏判然令(しんぶつはんぜんれい)が出され、神社とお寺を区別する神仏分離(しんぶつぶんり)が行われたのです。
このとき一部の過激な人々が廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)という、お寺や仏像を打ち壊す破壊行為が行われました。一千年以上続く日本仏教の文化財が大量に失われてしまいました。
こうした一神教的な考え方はあまり日本的ではなく、とても残念な出来事でした。現代に生きる我々は、この歴史を教訓にして、違う考え方を持つ人がいることを理解し、尊重して、文化財を後世に伝えていきたいものです。
緩い宗教文化を楽しむ現代日本人
外国では宗教の違いで今も戦争が続いていることを考えると、日本がいかに宗教に寛容な国であるかということがわかりますね。
現代の我々も正月には神社に初詣に行き、10月にはハロウィーンを楽しみ、12月にはクリスマスを祝い、葬式は仏式で挙げたりなどごちゃまぜです。
しかし、僕は個人的にはこうした日本の緩い宗教文化が好きです。「神も仏も等しく尊い」くらいに考えていたほうが、世の中平和になるんじゃないかなと思います。
寺社の魅力
さて、神社とお寺の歴史に紙幅を割きすぎてしまいましたが、ここからはいよいよ寺社の魅力について書いていこうと思います!
寺社は歴史のタイムカプセル
なんといっても、神社やお寺の最大の魅力は、歴史を現代に伝えてくれる空間であることだと思います。
山口県萩市の松陰神社をたずねると、境内にかの有名な松下村塾(再現)があります。また、この付近を歩くと、伊藤博文や多くの維新志士の家があり、まさしくこの町が日本の明治維新の舞台になったことが肌で伝わります。
歴史上の偉人たちと時間を共有することはできませんが、空間を共有することはできます。神社やお寺はそんなすごい施設なのです。
寺社によって異なる個性的な御朱印と御朱印帳
近年の御朱印ブームも神社仏閣巡りに彩を与えてくれています!
御朱印は神社仏閣を参拝した証として寺社からいただく印章のことで、多くの寺社の御朱印にはご本尊の名前や、神社の名前などが墨書されています。
一般的な御朱印。書き手の個性が文字に現れる、一点ものの参拝証。
まさに、アート作品かのような御朱印で話題の寺社も増えてきました。
QRコードで動画が見れる変わり種御朱印も。
仏たちが擬人化されたえちえちな御朱印。逆に煩悩が湧きそうな気もしますが(^^;)
御朱印をいただく御朱印帳も寺社により様々なデザインがあります。
神社やお寺により異なる個性的な御朱印や御朱印帳との出会いが、神社仏閣巡りをさらに楽しくしてくれているのです。
御朱印は納経した証としていただいたことが起源で、御朱印をいただくことは立派な宗教行為です。しかし、近年ではその趣旨を理解せず、下記のようなマナー違反も目立ちます。
- 寺社へ参詣せず、御朱印のみ集める行為
- 人気な御朱印をメルカリ等で転売する行為
- 御朱印をいただく際に、書き手を急かしたり、クレームを入れる行為
御朱印はスタンプラリー等では決してないので、寺社や神仏への敬意を持っていただき、マナーを守って御朱印巡りを楽しみましょう。
なぜ、神社仏閣巡りが特に若手社会人の趣味としてオススメなのか
ここまで書いてきたように、神社仏閣巡りはそれ自体楽しいものなので、学生さんや高齢者など老若男女にとってオススメなのですが、僕は特に若手社会人にオススメな趣味だと思います。理由は以下の2つです。
1.教養が身につく
上記『寺社は歴史のタイムカプセル』の項でも書いたとおり、寺社は歴史上の偉人や事件と同じ空間を共有できる施設でもあります。
社会人は日常会話でもある程度の教養を持っていたほうが、上司や取引先の方との会話の幅が広がります。もし雑談で歴史や日本文化についての話題が出た際、話題についていけないのか、話のネタがあるのかで、相手からの評価も全く変わったものになるでしょう。
神社仏閣巡りは楽しく歴史を学べる趣味だといえます。
2.運動不足の解消 ~参道が険しい寺社は若いうちにしか行けない~
そして神社仏閣巡りは運動不足の解消にもなります。一日の歩数が20,000歩を超えることもザラです。デスクワーク中心で運動不足になりがちな社会人にとっては、楽しく運動できる最高の趣味でしょう。
特に、歴史ある有名な神社やお寺であればあるほど、険しい山の上に建っていることも多く、年を取ってからだと、とてもじゃないですが参拝できない神社やお寺もいっぱいあります。老後の趣味として始めた時には、行きたくても(体力的に)行けない寺社も多いのです。
こんなに楽しい寺社巡り。できれば若いうちから始めることをオススメします。
【まとめ】さあ、あなたも神社仏閣巡りの旅に出よう!
今回の記事をまとめるとこんな感じです。
- 神社とお寺は別の宗教施設。神社は2礼2拍手1礼、お寺は合掌して1礼し、最後に1礼して参拝する。
- 「歴史上の偉人と空間を共有できる」「素敵な御朱印をいただける」など寺社巡りは魅力的な趣味。
- 教養が身に付き、運動不足が解消できて、特に若者にオススメ。
いかがでしたか。この記事を読んで神社仏閣巡りの旅に出たいと思ってくれる方が一人でも増えてくれたら幸いです。
また、神社仏閣巡りは基本的には密にならない趣味なので、「手洗いうがい」「マスク着用」「ソーシャルディスタンスの確保」「大声で話さない」など、基本的なことを守ればコロナ禍でも楽しめる趣味なのではないかと考えています。
ただ、緊急事態宣言が発令されている都道府県については、移動や外出自体を控えるよう要請されているので、宣言が解除されるまでは我慢しましょう。
その間、僕や他の神社仏閣について発信している方の記事を読んで、解除後に行く寺社の知識を深めていただくのも、ステイホームの過ごし方としてオススメです(笑)。
長文になりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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